当科で行われた肝移植
当施設では2001年5月より肝移植を開始し、2024年12月までに333例の小児生体肝移植(分割ドミノ肝移植1例含む)と8例の小児脳死肝移植を行ってきました(本邦3番目の症例数)。2017年には成人肝移植プログラムを開始し、2022年に成人の脳死肝移植施設に認定されました。施設として400例以上の肝移植の経験を有しており、日本でも有数の肝移植施設となっております。
肝移植の適応評価から周術期管理に至るまで、移植外科医のみならず、他科専門医?コメディカル等と日々カンファレンスを行っており、専門性の高い診療を迅速かつ適切に治療を行う体制が整っております。
移行期医療が注目される昨今、成人胆道閉鎖症の患者さんに肝移植が必要となっております。当院では大学病院附属の子ども医療センターである点においても成人移行期の患者様もシームレス、かつ永続的に管理を行っていくことができます。当院で治療を続ける通院患者(約450名)の30%以上が18才を超えてきており、移植後の成人移行期の患者様においても様々な問題(服薬アドヒアランス、就職活動、妊娠?出産など)が起こり得ますが、隔年で開催している患者会で交流を深めることにより、患者同士で悩みを分かち合い解決できる環境が整っています。
胆汁うっ滞性疾患 283例 | |
---|---|
胆道閉鎖症 | 247例(成人14例) |
アラジール症候群 | 15例 |
原発性胆汁性胆管炎 | 8例 |
原発性硬化性胆管炎 | 8例 |
進行性家族性肝内胆汁うっ滞症 | 2例 |
腸管不全合併肝障害 | 1例 |
重症複合免疫不全症 | 1例 |
特発性肝内胆管減少症 | 1例 |
肝細胞性疾患 42例 | |
非アルコール性脂肪肝炎 | 22例(肝細胞癌6例) |
アルコール性肝炎 | 10例(肝細胞癌2例) |
自己免疫性肝炎 | 6例(急性肝不全2例) |
C型肝炎 | 4例(肝細胞癌2例) |
血管性疾患 7例 | |
先天性門脈体循環シャント | 5例 |
肝外門脈閉塞症 | 1例 |
Budd-Chiari症候群 | 1例(急性肝不全1例) |
腫瘍性疾患 8例 | |
肝芽腫 | 6例 |
肝血管内皮腫 | 1例 |
肝紫斑病 | 1例 |
急性肝不全 10例 | |
劇症肝炎(原因不明) | 6例 |
若年性関節リウマチ | 1例 |
急性巨核芽球性白血病 | 1例 |
de novo B型肝炎 | 1例 |
一過性骨髄異常増殖症 | 1例 |
代謝性疾患 52例(急性肝不全10例) | |
オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症 | 23例 |
ウィルソン病 | 8例(急性肝不全3例) |
新生児ヘモクロマトーシス | 5例(急性肝不全5例) |
メープルシロップ尿症 | 4例 |
メチルマロン酸血症 | 4例 |
シトルリン血症 | 2例 |
糖原病Ⅰa型 | 2例(肝腎同時移植1例) |
嚢胞性線維症 | 1例 |
カルバミルリンサン合成酵素欠損症 | 1例 |
ニーマンピック病C型 | 1例(急性肝不全1例) |
全身性アミロイドーシス | 1例(急性肝不全1例) |
その他 23例 | |
グラフト不全 | 20例 |
先天性肝線維症 | 3例 |
合計 | 425例 |
全身麻酔手術件数(2001-2024年:全1473例)
肝生検件数(2008-2024年:全1999例)
■当科の診療実績
詳細は、「移植外科[アニュアルレポート]」をご覧ください。