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診療科のご案内

当センターで分娩をする皆様へ


分娩 当センターでの分娩管理について



自治医科大学附属さいたま医療センター 
周産期母子医療センター 母体胎児部門 

このたびはご妊娠おめでとうございます。
当センターは地域周産期母子医療センターとしてお母様の基礎疾患、合併症やお子様が多胎や胎児疾患をお持ちの妊婦さんを多く受け入れています。 妊娠?出産に最も大切なことは妊婦さん?赤ちゃんの健康を確保し、安全に分娩することです。 妊娠?分娩は順調に進むことが一般的ですが、時には医療介入を必要とする場合があります。 以下に、当センターの分娩管理の考え方について記載してあります。当センターで分娩希望の方は、ご一読いただき、ご理解いただきますようお願い致します。
なお、ご不明な点がございましたら、スタッフまでお問い合わせください。


1.分娩様式について


赤ちゃんの頭が先に進んでいる場合は、経腟分娩を目指します。
ただし、お母さんや赤ちゃんの状態によっては、帝王切開分娩や吸引分娩、鉗子分娩になることもあります。


1)帝王切開分娩の適応

以下の場合は帝王切開分娩をしています。
(1)以前に帝王切開をしている場合や子宮筋腫など子宮を切開した手術をしている。
    →陣痛で子宮破裂の危険が伴うことがあります。
(2)赤ちゃんの姿勢や向きが経腟分娩に適していない。(骨盤位:さかご、横位:横向きなど)
    →経腟分娩ができません。
(3)多胎妊娠(双子あるいは三つ子など)
    →破水時に子宮口から臍の緒が出てくる(臍帯脱出)危険があります。
     また、骨盤位(さかご)の経腟分娩では、お尻が出てもお尻より大きな頭がなかなか娩出できない場合があり、
     赤ちゃんの死亡や脳性麻痺のリスクがあります。
     さらに多胎では、2人目の赤ちゃんが子宮の中で元気な状態といい切れない状態(胎児機能不全)や
     脳性麻痺に陥ることがあります。
(4)前置胎盤、低置胎盤(胎盤が子宮の出口近くにある)
    →大量出血し、お母さん?赤ちゃんともに危険が及ぶことがあります。
(5)分娩停止(分娩が進まなくなった)、胎児機能不全(胎児の状態悪化)で経腟分娩が困難
(6)その他、経腟分娩ではお母さんもしくは赤ちゃんに危険がある(血圧の上昇、常位胎盤早期剥離など)

2)吸引分娩?鉗子分娩について

子宮の出口が全開し、赤ちゃんが出口近くまで降りている時に赤ちゃんの心拍数が低下したり、
お母さんの疲労が極度となり、早急に赤ちゃんを娩出(出産)させなければならない場合に、
吸引分娩や鉗子分娩を行うことがあります。


3)無痛分娩について

当センターでは、無痛分娩は行っておりません。



2.分娩管理について


分娩時には急変し、予測できない事態が発生することがあります。
お母さんと赤ちゃんの健康と安全のために医療介入が必要になることがあります。


<分娩時?産後に行う検査や処置>

1)必ず行うもの
分娩

(1)分娩監視装置(胎児心拍数モニタリング)
   赤ちゃんの心拍数と子宮収縮の状態を調べる装置で、胎児の健康状態を推定し、
   陣痛の状況を確認します。

(2)分娩時点滴確保(静脈注射ができるように点滴に繋げる管を挿入すること)
   分娩が進行してきたら、血管確保を行い、分娩時に大量出血した場合に
   薬剤投与や輸血ができるように備えます。
   大量出血の場合は、追加で複数の血管確保が必要になることもあります。

(3)産後の子宮収縮薬の投与
   分娩後の子宮収縮不全は産後出血の最も多い原因です。
   出血を少なくするため当センターでは児が娩出された後に子宮収縮薬(オキシトシンなど)を点滴します。

(4)分娩時の臍帯血採血
   分娩後に、臍帯(へその緒)から採血し、検査することで分娩時の赤ちゃんの酸素化に関する情報を得ることができます。
   採血に伴うお母さんへの侵襲はありません。
   産科医療補償制度の申請をする際に採血結果が必要になる場合があります。

(5)産後の血液検査
   血液検査で貧血の有無などを確認します。
   経腟分娩の場合は産後1日目、帝王切開の場合は術後1日目と 4日目、出血の状況によっては頻回に採血を行う場合があります。

2)必要に応じて行うもの
(1)陣痛誘発?促進剤の投与
   分娩予定日を過ぎると胎盤の機能が低下し、赤ちゃんに十分な酸素が届かなくなることがあります。
   また、破水後陣痛が来ない場合には、長時間経過すると子宮内感染が起こり赤ちゃんの状態が悪くなることがあります。
   その他、お母さんと赤ちゃんの状態で計画分娩が必要な場合(妊娠高血圧症候群による血圧の上昇など)、
   陣痛があっても弱くて分娩の進行が見られない場合(微弱陣痛)などお母さんと赤ちゃんにとって
   お産を早く進めた方が有益であると考えられる場合に、陣痛誘発?促進剤を使用します。
   詳細は陣痛誘発?促進剤が必要となった時に、再度ご説明いたします。

(2)会陰切開術?会陰縫合術
   会陰切開とは産道の伸展が不十分で分娩時の裂傷が肛門の方向へ及び、
   肛門括約筋や直腸の損傷を避ける目的で必要と判断した場合に行います。
   また、赤ちゃんを早く分娩した方が望ましい状況では産みやすくする目的で行うこともあります。

(3)出産に伴う産道裂傷の修復(会陰裂傷?腟壁裂傷?頸管裂傷の処置)
   赤ちゃんが腟や会陰を通る際に傷ができることがあります。裂傷の程度には個人差があります。
   局所麻酔を用いてできる限り痛みを軽減して縫合を行いますが、腟壁裂傷や頸管裂傷では麻酔が効きにくく、
   痛みの軽減が不十分になることがあります。
   縫合後に傷に感染が起こった場合には治りが悪くなり、縫合した傷が開いて、洗浄や抗菌薬の使用、
   再縫合などの処置が必要になることがあります。
   また、ごく稀に子宮や直腸粘膜まで裂傷が及ぶこともあり、裂傷が深く大きい場合は手術室で腰椎麻酔や全身麻酔を行い、
   縫合する場合があります。

(4)急速遂娩(きゅうそくすいへ?ん)(子宮底圧迫法?吸引分娩?鉗子分娩?緊急帝王切開)
   分娩中にお母さんもしくは赤ちゃんの状態が悪くなり、急いで分娩をしなければならない場合があります。
   また陣痛が弱くなったり、赤ちゃんの頭が正常に回旋しない場合(回旋異常)などが原因で分娩が遷延したり、
   停止することがあります。
   子宮口が十分開いていて、赤ちゃんが適当な位置に下がっていれば、吸引分娩や鉗子分娩など器械による補助経腟分娩を行います。
   そうでない場合には緊急で帝王切開を行います。

   ①子宮底圧迫法
   お母さんのお腹を娩出方向に押してお手伝いをすることがあります。
   お母さんの合併症として頸管裂傷や会陰裂傷等の産道裂傷が大きくなることや稀に子宮破裂、直腸裂傷、
   膀胱損傷が起こることがあります。
   子宮破裂の場合には子宮全摘術が、直腸損傷の場合には一時的に人工肛門造設術が必要になることがあります。

   ②吸引分娩
   赤ちゃんの頭に吸引カップを装着して、牽引することにより分娩のお手伝いをします。
   分娩が困難な場合には鉗子分娩や帝王切開を行います。
   赤ちゃんの頭に産瘤(頭にできるこぶ)ができることがありますが、約2-3日で消失します。
   赤ちゃんの合併症として、頭血腫、帽状腱膜下血腫など頭に血腫ができる場合や稀に頭蓋内出血を起こすことがあります。
   お母さんの合併症として、頸管裂傷や会陰裂傷等の産道裂傷が大きくなることや稀に子宮破裂、直腸裂傷、
   一過性の排尿障害が起こることもあります。
   子宮破裂の場合には子宮全摘術、直腸損傷の場合には一時的に人工肛門造設術が必要になることがあります。

   ③鉗子分娩
   赤ちゃんの頭部?頬を金属製の器具(鉗子)で挟みます。陣痛に合わせて牽引し、分娩のお手伝いをします。
   吸引分娩に比べて引き出す力が強いですが、お母さんの会陰部の裂傷が深く及ぶことがあります。
   赤ちゃんの顔面に鉗子の痕が付きますが2-3日で消失します。
   赤ちゃんの合併症として、表皮剥離などの損傷ができることがあり、頭血腫、帽状腱膜下血腫など児頭に血腫ができる場合や、
   稀に頭蓋内出血、眼球角膜結膜損傷、結膜出血、頭蓋骨骨折、一過性の顔面神経麻痺を起こすことがあります。
   お母さんの合併症として、頸管裂傷や会陰裂傷等の産道裂傷が大きくなることや一過性の排尿障害により
   一時的に自己導尿が必要になることがあります。
   稀に子宮破裂、直腸裂傷、膀胱損傷が起こることもあります。
   子宮破裂の場合は子宮全摘術、直腸損傷の場合は一時的に人工肛門造設術が必要になることがあります。

【吸引分娩】

分娩

【鉗子分娩】

分娩

   子宮底圧迫法、吸引分娩、鉗子分娩などにかかわらず、通常の経腟分娩でも稀に一定の割合で
   重篤な合併症を生じることがあります。
   お母さんでは子宮破裂、肛門括約筋の損傷による排便障害、直腸裂傷に伴う一時的に人工肛門造設術や、
   赤ちゃんには肩甲難産(分娩途中で、赤ちゃんがお母さんの骨盤の一部に引っかかって出てこない状態)などにより鎖骨骨折、
   Erb麻痺(上肢の麻痺)などが予期せず生じることがあります。

   ④緊急帝王切開
   お母さんのお腹を切って赤ちゃんを産む方法です。お母さんや赤ちゃんにとって経腟分娩が難しい、
   あるいは望ましくないと判断した場合に行う方法です。
   経腟分娩に比べて、手術中の麻酔や出血、腹腔内臓器の損傷、手術後の血栓症や感染などの合併症のリスクが高くなります。
   当センターでは、あらゆる面から十分に検討してお母さんと赤ちゃんにとって有益と考えられる医学的適応があり、
   帝王切開が妥当と判断した場合にのみ行います。
   帝王切開を行う場合は、必ず事前に再度説明し同意書をいただきますが、赤ちゃんの状態が超緊急を要する場合は、
   その限りではありませんのでご了承ください。
   また、緊急帝王切開の場合に、ご家族への説明が手術後になる場合もありますので、ご理解ください。

(5)止血処置(ヨードホルムガーゼによる圧迫、子宮内バルーン留置、Hold in the cervix法)
   分娩後や帝王切開後に出血が持続する場合に1?5mほどの長いガーゼ(ヨードホルムガーゼ)や
   バルーンを子宮内や腟内に留置して圧迫することにより止血を試みることがあります。
   また、子宮の出口に鉗子をかけて止血する方法(Hold in the cervix法)もあります。

(6)輸血
   分娩に関連して、予測できない大量出血が起こることがあります。救命のため輸血が必要になることがあります。
   著しく出血が多い場合、全身状態管理のために集中治療室(ICU)に入室することがあります。

(7)導尿
   分娩が進行して、排尿が困難な状況や、自力でトイレ歩行することが危険と判断した場合は、
   導尿(尿道口から膀胱へカテーテルを挿入して尿を人工的に排泄すること)を行います。

(8)除毛
   経腟分娩では必要に応じて剃毛をする場合があります。
   帝王切開の際は腹部と恥骨まで剃毛を行うことがあります。

(9)児頭電極および子宮内圧計による分娩中の胎児?子宮収縮のモニタリング
   通常、分娩中はお母さんのおなかの上に電極を装着して、赤ちゃんの心拍数と子宮収縮の経過を見ていきます。
   これらを監視することは安全に分娩するためには非常に大切ですが、
   分娩進行中のお母さんの体動等によってしっかり拾えない場合があります。
   そのような場合には、赤ちゃんの頭皮に直接電極(児頭電極)を付け、
   子宮の内腔にカテーテル(子宮内圧計)をいれることにより、赤ちゃんの心拍数と子宮収縮を拾います。
   事前にお母さんの感染症を確認し、超音波断層法で胎盤位置と赤ちゃんの向きを確認したあとに処置を行いますが、
   リスクとしては以下が考えられます。

   ①感染
   破水後に経腟的な操作を行うため、膣内の菌が子宮内に押し込まれる可能性があります。
   赤ちゃんの頭に直接電極をつけるため、皮膚からの感染が起こる可能性があります。

   ②出血
   操作により少量の出血が起こる可能性があります。

   ③常位胎盤早期剥離
   胎盤と子宮との間にカテーテルが入ることにより、胎盤剥離が起こる可能性があります。

   ④赤ちゃんの顔が傷つく可能性
   カテーテル挿入時に赤ちゃんの顔にカテーテルが当たり傷を生じる可能性があります。

分娩

(10)産褥出血に関する処置(動脈塞栓術、子宮全摘出術など)
   分娩後の後の出血が多い場合、子宮収縮薬の投与など一般的な止血法のほか、P5の(5)に記載した
   止血処置法(ヨードホルムガーゼによる圧迫、子宮内バルーン留置、Hold in thecervix法)を行いますが、
   それでも止血困難な場合、動脈塞栓術を行うことがあります。
   これは、行う際に再度ご説明いたしますが、大腿部の動脈に管を入れ、その管を子宮出血点に繋がる血管まで辿り、
   そこから薬剤を入れてその血管を詰めて止血する方法です。
   最終的に止血困難な場合、子宮全摘出術を行うこともあります。

(11)新生児の管理、治療
   出生後の赤ちゃんの具合が悪い場合、酸素投与など、適切な処置を行うことがあります。
   必要時には新生児科医が立ち会い、赤ちゃんの治療を行うことがあります。
   いずれも、安心、安全なお産を提供するために必要な処置ですので、ご理解いただけますよう、お願い申し上げます。

分娩

作成  2023年10月

問い合わせ先:自治医科大学附属さいたま医療センター 産科外来代表:048-647-2111
平日8:30~17:15

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