放射線管理センター【アニュアルレポート】
1.スタッフ(2024年4月1日現在)
センター長(教授)(兼) | 苅尾 七臣 |
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副センター長(教授)(兼) | 白井 克幸 |
RI管理室長(兼) | 篠原 弘巳 |
放射線管理室長 | 柴田 欣也 |
診療放射線技師(兼) | 4名 |
事務担当職員(兼) | 2名 |

2.放射線管理センターの特徴
放射線管理業務は昭和49年の開院と同時に始まり、昭和51年に放射線管理センターの前身である放射線管理室が設置された。近年の国内での放射線に対する規制の強化をうけ、足彩胜负彩元年4月に放射線管理室から名称を変更する形で放射線管理センターは発足し、RIセンターとの協力体制を強化した。更に放射線管理センターの下に放射線管理室を設置し実務を行っている。
放射線管理センターでは、放射線業務従事者として病院で業務を行う医師、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、薬剤師、臨床工学士等の個人被ばく管理や安全に関する教育訓練を行っている。2024年3月時点で、放射線業務従事者として登録している職員の数は約900人に達している。被ばく線量の多い従事者に対しては、放射線障害の発生を防止するため、状況を確認し、適切に指示を行っている。また、公共の安全を確保するために、放射線施設の自主点検や放射線管理区域境界等の線量測定、核医学施設からの排水?排気の測定を行っている。その他、医療法、労働安全衛生法および放射性同位元素等の規制に関する法律に基づいた放射線に係る各種届出、報告書等の法的書類の作成及び提出を行っている。原子力規制委員会の立入検査への対応については放射線管理センターが中心となり行っている。
足彩胜负彩元年9月1日に放射性同位元素等の規制に関する法律が施行された。これにより、特定放射性同位元素の盗取に対するセキュリティ対策が求められるようになり防護に関する教育訓練や入退室管理等を行っている。
足彩胜负彩3年4月1日には改正電離放射線障害防止規則が施行され、水晶体被ばく等価線量限度が引き下げられた。年間150mSvであったものが、年間50mSvかつ5年間で100mSvに見直しが行われた。法改正に対応するために、放射線防護設備の充実、エックス線装置の設定変更への介入、放射線業務従事者への放射線防護具の効果的な使用法の説明、3mm線量当量での個人被ばく線量測定の開始等、放射線業務従事者の水晶体被ばく線量を下げるために力を入れている。
3.実績?クリニカルインディケーター
〇教育訓練等
- 開催日 1月16日、4月25日、6月19日
特定放射性同位元素新規防護従事者教育訓練 - 開催日 1月24日~26日、2月21日
特定放射性同位元素防護従事者再教育訓練 - 開催日 2月10日、2月21日
特定放射性同位元素防護従事者緊急時対応訓練 - 開催日 5月1日
新規放射線業務従事者教育訓練(e-learning) - 開催日 12月11日
放射線業務従事者再教育訓練(e-learning)
〇届出等
【労働安全衛生法】
機械等 設置届 9件
機械等 移転届 1件
【医療法】
診療用エックス線装置備付届 7件
診療用エックス線装置廃止届 6件
診療用放射性同位元素、陽電子断層撮影診療用放射性
同位元素 翌年使用予定届 1件
【RI法】
核燃料物質管理報告書 2件
特定放射性同位元素の所持に係る報告書 1件
特定放射性同位元素の受入れ等に係る報告書 3件
管理状況報告書 1件
許可使用に係る変更許可申請書 1件
放射線障害予防規程変更届 2件
表示付認証機器使用変更届 1件
〇施設検査
5月及び11月にエックス線検査施設、放射線治療施設、核医学施設の自主点検?漏洩線量測定を実施し、問題となる箇所はなかった。
〇放射線防護設備の充実
手術室でエックス線透視装置を使用する放射線業務従事者を放射線から防護する目的で移動型防護板を設置した。天吊り型に比べ、使用しづらい面はあるが、積極的に使用していただき、被ばく線量は確実に減少した。
〇個人被ばく線量管理
?実効線量

検出限界未満の者 | 724 |
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検出可能で5ミリシーベルト以下の者 | 187 |
5ミリシーベルトを超え20ミリシーベルト以下の者 | 0 |
20ミリシーベルトを超え50ミリシーベルト以下の者 | 0 |
50ミリシーベルトを超える者 | 0 |
?眼の水晶体の等価線量

検出限界未満の者 | 661 |
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検出可能で20ミリシーベルト以下の者 | 250 |
20ミリシーベルトを超え50ミリシーベルト以下の者 | 0 |
50ミリシーベルトを超える者 | 0 |
?皮膚の等価線量

検出限界未満の者 | 651 |
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検出可能で150ミリシーベルト以下の者 | 260 |
150ミリシーベルトを超える500ミリシーベルト以下の者 | 0 |
500ミリシーベルトを超える者 | 0 |
?月ごとの眼の水晶体等価線量の基準線量超過者数

※基準線量は当院で定めたアラートを出す線量
4.2024年の目標?事業計画等
- 職業被ばく線量限度は実効線量、眼の水晶体の等価線量ともに2021年度から2025年度の5年間で100mSvかついずれの1年においても50mSv/年を超えないこととなっており、5年間の後半にさしかかる。引き続き放射線業務従事者の被ばく線量を監視し、線量限度を超過する者がないように努める。
- 他部門と連携し、法令を遵守する。各種届出を滞りなく行う。
- 新規の撮影装置や核医学治療による放射線業務従事者および公衆の被ばくを把握し対応する。
- 放射線を正しく恐れるように啓発する。