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小児科【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2024年4月1日現在)

(専門)
科長 (教授) 田島 敏広 内分泌代謝
副科長 (教授) 小坂  仁 神経
副科長 (教授) 熊谷 秀規 消化器?肝臓
外来 医長 (講師) 中村 幸恵 内分泌代謝
病棟 医長 (講師) 青栁  順 腎臓
病棟 医長 (准教授) 小島 華林 神経
医員 (教授) 村松 一洋 神経
嶋田  明 血液?腫瘍
(学内教授) 河野 由美 新生児
(准教授) 矢田ゆかり 新生児
門田 行史 神経
金井 孝裕 腎臓
田村 大輔 感染症
佐藤 智幸 循環器
関   満 循環器
(講師) 川田 雅子 神経
西村  力 新生児
(助教) 鈴木 由芽 新生児
俣野 美雪 新生児
岡  健介 循環器
古井 貞浩 循環器
溝部 吉高 神経
浅倉 佑太 神経
岡田 優子 消化器
小太刀 豪 アレルギー
森田 裕介 循環器
吉成 裕紀 血液
若林  慶 新生児
小林  瑞 神経
病院助教 横溝亜希子 循環器
新島  瞳 血液
小森 咲子 新生児
黒﨑 雅典 腎臓
相樂 昌志 新生児
小倉 一輝 新生児
丸  智美 腎臓
浅井 秀哉 血液
若江 惠三 神経
奥村 一輝 神経
石井真里花 腎臓
五味  遥 循環器
堂福 美佳 内分泌代謝
岩﨑 智裕 神経
臼井 みほ
谷本 和也
古屋 開土
宮﨑 悠夏
レジデント 10名

2.診療科の特徴

当科は、自治医科大学とちぎ子ども医療センターにおける小児内科部門として、小児の総合診療、および、専門診療(神経、発達、 心臓、肝臓?消化器、腎臓、内分泌?代謝、血液?腫瘍、膠原病、喘息?アレルギー、遺伝、新生児、感染、心理)を担当している。北関東における小児高度医療機関としての役割を果たすため、当センター内および附属病院内の各科と協力している。患児と家族に寄り添った治療を目指し、医療を提供するため、小児内科として2病棟、周産期センター新生児集中治療部門として1病棟を有し、それぞれ38床、38床、36床の計112床のベッドを備えている。

関連領域専門医認定施設

  • 日本小児科学会専門医研修施設(支援施設)
  • 日本小児神経学会 小児神経専門医研修認定施設
  • 日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医制度認定研修施設
  • 日本てんかん学会 てんかん専門医認定研修施設(附属病院)
  • 日本小児循環器学会 専門医修練施設(子ども医療センター)
  • 日本胎児心臓病学会 心臓超音波検査専門施設(小児科)
  • 日本成人先天性心疾患学会 専門医総合修練施設(附属病院)
  • 日本血液学会研修指定施設(附属病院)
  • 日本小児血液?がん学会 小児血液?がん専門医研修施設(附属病院)
  • 日本造血?免疫細胞療法学会認定移植研修施設(附属病院)
  • 日本周産期?新生児医学会基幹認定施設(附属病院)
  • 日本内分泌学会認定教育施設(小児科)
  • 日本腎臓学会認定教育施設(附属病院)
  • 日本透析医学会認定教育関連施設(附属病院)
  • 日本消化管学会 胃腸科指導施設
  • 日本アレルギー学会アレルギー専門医教育研修施設(小児科)
  • 日本炎症性腸疾患学会指導施設(附属病院)

認定医

日本小児科学会小児科認定指導医 小坂  仁 他27名
日本小児科学会小児科専門医 小坂  仁 他81名
日本小児神経学会認定小児神経科指導医 小坂  仁
日本小児神経学会認定小児神経科専門医 小坂  仁 他13名
日本小児心身医学会認定医 門田 行史、増田 卓哉
日本てんかん学会認定臨床指導医 小坂  仁 他1名
日本てんかん学会認定臨床専門医 小坂  仁 他2名
日本人類遺伝学会臨床遺伝指導医 田島 敏広 他2名
日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医 田島 敏広 他5名
日本小児循環器学会専門医 佐藤 智幸 他4名
日本胎児心臓病学会胎児心エコー認証医 岡  健介
日本循環器学会専門医 関   満
日本成人先天性心疾患学会成人先天性心疾患専門医 関   満
日本腎臓学会指導医 金井 孝裕
日本腎臓学会腎臓専門医 金井 孝裕 他2名
日本透析医学会指導医 金井 孝裕
日本透析医学会専門医 金井 孝裕
日本臨床腎移植学会認定医 金井 孝裕
日本内分泌学会内分泌代謝科(小児科)指導医 田島 敏広
日本内分泌学会内分泌代謝科(小児科)専門医 田島 敏広
日本消化管学会胃腸科指導医 熊谷 秀規
日本消化管学会胃腸科専門医 熊谷 秀規
日本消化管学会胃腸科認定医 熊谷 秀規
日本小児栄養消化器肝臓学会認定医 熊谷 秀規、横山 孝二
日本炎症性腸疾患学会IBD指導医 熊谷 秀規
日本炎症性腸疾患学会IBD専門医 熊谷 秀規
日本周産期?新生児医学会新生児指導医 矢田ゆかり
日本周産期?新生児医学会新生児専門医 矢田ゆかり 他6名
日本周産期?新生児医学会新生児蘇生法「専門コース」 インストラクター 矢田ゆかり
日本周産期?新生児医学会新生児蘇生法「専門コース」 河野 由美 他5名
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 嶋田  明、川原 勇太
日本血液学会指導医 嶋田  明 他2名
日本血液学会専門医 嶋田  明 他4名
日本小児血液?がん学会小児血液?がん指導医 嶋田  明 他2名
日本小児血液?がん学会小児血液?がん専門医 嶋田  明 他2名
日本造血細胞移植学会認定医 嶋田  明 他2名
日本がん治療認定医機構がん治療認定医 嶋田  明、川原 勇太
日本遺伝性腫瘍学会専門医 嶋田  明
日本血栓止血学会認定医 嶋田  明
日本肉腫学会指導医 嶋田  明
日本肉腫学会専門医 嶋田  明
日本アレルギー学会アレルギー専門医 小太刀 豪 他4名
日本感染症学会専門医 1名
日本小児感染症学会小児感染症認定 青栁  順、山岸 裕和
ICD制度協議会認定ICD 青栁  順
日本リハビリテーション医学会認定臨床医 1名
日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科 専門医 1名
日本東洋医学会専門医 1名
日本超音波医学会 超音波専門医 1名
日本内科学会認定医 1名
日本小児科医会地域総合小児医療認定医 1名
日本医師会認定産業医 横山 孝二 他4名
PALS Instructor 伊東 岳峰
PALS 村松 一洋 他8名
JPLS講師 伊東 岳峰
JPLS 伊東 岳峰 他6名

3.診療実績?クリニカルインディケーター

とちぎ子ども医療センターの1年間の小児科総合診療部、専門診療部および入院診療実績について報告する。なお周産期母子総合医療センターのNICUについても一部併記する。

3-1.外来診療

1)新来患者数?再来患者数?紹介割合

新来患者延べ数 2,144人
再来患者延べ数 36,668人
外来患者延べ数 38,812人
紹介率 70.5%

2)小児科総合診療部外来

医師:

小坂  仁(兼)、山形 崇倫(兼)、田島 敏広(部長、兼)、熊谷 秀規(兼)、嶋田  明(兼)、門田行史(兼)、金井 孝裕(兼)、村松 一洋(兼)、田村大輔(兼)、川田 雅子(兼)、中村 幸恵(外来医長、兼)、川原 勇太(兼)、別井 広幸(兼)、横溝亜希子(兼)、黒川 愛恵(兼)、岡田 優子(兼)、若江 惠三(兼)、奥村 一輝(兼)、福田 真也(兼)、北村  薫(兼)、堀口亜由美(兼)、古屋 開土(兼)

診療実績:

総合診療部では、午前中の総合診療部外来と午前?午後の救急患者対応などを行っている。小児科専門医がそれぞれの専門診療部と兼務で診療を行っている。原則として初診は紹介患者と救急搬送患者に限定している。

今年度は、COVID-19は5類に移行したがCOVID-19関連疾患の受診も依然続き、加えてRSウイルスやインフルエンザ、溶連菌感染症など、各種感染症が流行し、感染症関連の脳症、心筋症といった重症患者の受診も目立った。摂食障害、適応障害といった心理精神分野の紹介も引き続き多くみられ、年間総受診数は増加していた。

小児科の診療では常に総合的判断を必要とするため、総合診療部で問題を拾い上げ、的確な診療方針を迅速に立てて、検査や初期治療を実施し、必要に応じて、病棟や各専門診療部への振り分け、総合診療部外来での診療を継続しつつ、軽快あるいは症状安定した場合には紹介元やかかりつけ医に逆紹介している。

1月 2月 3月 4月 5月 6月
712 683 760 640 713 770
7月 8月 9月 10月 11月 12月
831 815 729 774 786 842

年間総受診数 9,055人

3)小児神経外来

医師:

小坂 仁、村松 一洋、小島 華林、門田 行史、川田 雅子、三谷 忠宏、浅倉 佑太、永井 康平、小林 瑞、若江 惠三、堀口明由美、月田貴和子、岩﨑 智裕、奥村 一輝、溝部 吉高、池田 尚広、山形 崇倫、桒島 真理、山岸 裕和、植田 綾子

診療実績:

1月 2月 3月 4月 5月 6月
723 721 799 779 715 807
7月 8月 9月 10月 11月 12月
762 818 719 783 713 746

年間総受診数 9,085人

主な診療対象:

てんかん、脳性麻痺や脳炎等による痙性麻痺、先天代謝異常症、染色体異常、中枢神経形成異常、神経皮膚症候群、筋ジストロフィー、重症筋無力症、神経変性疾患、脊髄性筋萎縮症、自閉スペクトラム症、知的障害、学習障害や注意欠陥多動性障害等の発達障害、チック障害、吃音、頭痛等の診療をしている。てんかんは難治例の紹介あるいは相談目的の受診が多く、脳神経外科ともに外科治療も積極的に取り入れている。先天代謝異常症は酵素補充だけでなく、新規診断も含め県内外の症例に対応している。その他、人工呼吸器外来において、70人余の在宅人工呼吸器患者や気管切開患者を診療し、成人移行も推進している。SENDA/BPANは全国から患者が定期受診している。

4)遺伝外来

医師:野崎 靖之、松本 歩

診療実績:

1月 2月 3月 4月 5月 6月
94 66 115 72 56 98
7月 8月 9月 10月 11月 12月
92 87 104 80 65 78

年間総受診数 1,007人

主な診療対象:

Down症候群? 染色体異常症候群? Marfan症候群、Williams症候群などの先天奇形症候群や遺伝子検査、遺伝相談など。なお、染色体異常、遺伝性疾患は、神経外来に通院している患者も多い。

5)小児循環器外来

医師:関 満、佐藤 智幸、岡 健介、古井 貞浩、鈴木 峻、森田 裕介

診療実績:

心臓外来

1月 2月 3月 4月 5月 6月
238 242 349 262 246 364
7月 8月 9月 10月 11月 12月
325 352 267 333 287 208

年間総受診数 3,573人

シナジス外来(心疾患患者のみ)

1月 2月 3月 4月 5月 6月
14 11
7月 8月 9月 10月 11月 12月
11 12 14 11 13

年間総受診数 97人

主な診療対象:

先天性心疾患(心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、完全大血管転位症、Fallot四徴症、肺動脈閉鎖症など)の術前と術後、川崎病、不整脈、心筋症、心雑音の精査などを中心に外来診療している。

6)胎児心エコー外来

医師:岡  健介

診療実績:

1月 2月 3月 4月 5月 6月
12 13 10
7月 8月 9月 10月 11月 12月
10 10

年間総受診数 101人

主な診療対象:

胎児先天性心疾患(心室中隔欠損症、単心室症、左心低形成症候群、肺動脈閉鎖症、両大血管右室起始症、Fallot四徴症、総動脈幹症、無脾症候群、多脾症候群、完全大血管転位症、総肺静脈還流異常症、Ebstein病、血管輪など)、胎児不整脈など。

院内あるいは院外の産科から紹介された、胎児に先天性心疾患や不整脈を持つ妊婦において、胎児心エコー図検査による出生前診断を実施し、出生後の計画的治療につなげている。

7)小児腎臓外来

医師:

金井 孝裕、伊東 岳峰、青栁 順、別井 広幸、黒﨑 雅典、丸 智美、小野真里花

診療実績:

1月 2月 3月 4月 5月 6月
192 180 235 191 183 192
7月 8月 9月 10月 11月 12月
220 219 248 223 191 226

年間総受診数 2,500人

主な診療対象:

小児特発性ステロイド感受性ネフローゼ症候群、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群、IgA腎症、紫斑病性腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、ループス腎炎、急性糸球体腎炎、Alport症候群、腹膜透析例、腎移植症例、保存期慢性腎不全、多発性嚢胞腎、ネフロン癆、水腎症、間質性腎炎、尿細管アシドーシス、シスチン尿症、腎血管性高血圧、HUS、補体介在性TMA、などを診療している。

外来の特色:

急性血液浄化療法から、維持透析療法?生体腎移植前後の管理まで、小児腎疾患のほぼすべてを診療対象としている。また、他の小児専門診療科、他科からの依頼を受けて、CHDFや血漿交換療法などの血液浄化療法も行っている。院外との連携では、県内はもとより、群馬?埼玉?茨城?福島などからも、紹介を受けている。

8)小児内分泌外来

医師:田島 敏広、中村 幸恵

診療実績:

1月 2月 3月 4月 5月 6月
191 210 231 205 230 218
7月 8月 9月 10月 11月 12月
218 303 184 223 232 240

年間総受診数 2,685人

主な診療対象:

新生児マススクリーニング検査の2次精密検査(先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成症)、および成長障害(成長ホルモン分泌不全性低身長など)、副腎疾患、甲状腺疾患、カルシウム?ビタミンD関連疾患、骨系統疾患、性分化疾患、思春期発来異常などの内分泌疾患、高コレステロール血症、糖尿病、肥満などの糖?脂質代謝異常疾患が主体である。

また下垂体近傍の腫瘍摘除後、あるいは放射線治療後の内分泌障害にも対応している。

9)小児消化器?肝臓外来

医師:熊谷 秀規、横山 孝二、岡田 優子、桃谷 孝之

診療実績:

1月 2月 3月 4月 5月 6月
150 150 190 160 140 150
7月 8月 9月 10月 11月 12月
130 150 160 130 140 150

年間総受診数 1,800人

主な診療対象疾患:

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、胃?十二指腸潰瘍、ヘリコバクター?ピロリ感染症、消化管ポリポーシス、若年性ポリープ、機能性胃腸症(機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群など)、B型?C型肝炎ウイルス感染症、胆道閉鎖症、肝内胆汁うっ滞症(アラジール症候群、原発性硬化性胆管炎など)、肝硬変(胆道閉鎖症術後など)、特発性門脈圧亢進症、肝外門脈閉塞症、食道静脈瘤、慢性肝炎、急性肝炎、非アルコール性脂肪肝炎、肥満症、代謝性肝疾患(ウィルソン病、シトリン欠損症、糖原病など)、胆石症、膵炎、膵胆管合流異常症、先天性胆道拡張症などの検査や診断、内科的治療を行っている。消化管内視鏡検査は主に小児科医が施行している。

急性虫垂炎、ヒルシュスプルング病、メッケル憩室、肥厚性幽門狭窄症、胃食道逆流症、胆道閉鎖症、膵胆管合流異常症などの外科的疾患、経皮的または腹腔鏡下肝生検、ダブルバルーン小腸内視鏡検査や内視鏡治療は、麻酔科、小児外科、移植外科、消化器肝臓内科と連携を取りながら診療している。

10)新生児フォローアップ?新生児シナジス外来

医師:河野 由美、矢田ゆかり、西村 力、俣野 美雪、鈴木 由芽、下澤 弘憲、小森 咲子、相樂 昌志、若林 慶

診療実績:

新生児フォローアップ

1月 2月 3月 4月 5月 6月
160 151 165 149 149 172
7月 8月 9月 10月 11月 12月
156 160 148 138 131 142

年間総受診数 1,821人

新生児シナジス外来

1月 2月 3月 4月 5月 6月
24
7月 8月 9月 10月 11月 12月
14 12 12 12 10

年間総受診数 89人

主な診療対象:

新生児フォローアップ外来は、NICU退院児を主な対象とし、退院後2週間から小学生まで長期フォローアップを行っている。診療内容は早産?低出生体重児の成長?発達の評価、合併症の治療や精査、必要な養育支援である。染色体異常、先天奇形症候群も多く、気管切開、在宅酸素療法や経管栄養などの在宅医療の管理も行っている。外科系診療科、心理、リハビリテーション部門等と連携して包括的な診療を心がけている。新生児難聴スクリーニングの精査?フォローも行っている。RSV重症化予防のためのパリビズマブは、新生児外来とシナジス外来で、今年度は流行に合わせて5月から11月まで投与した。

11)小児血液?腫瘍外来

医師:嶋田 明、翁 由紀子、川原 勇太、新島 瞳、吉成 裕紀

診療実績:

1月 2月 3月 4月 5月 6月
111 115 117 124 119 94
7月 8月 9月 10月 11月 12月
95 159 113 114 100 136

年間総受診数 1,397人

主な診療対象:

急性リンパ性白血病(ALL)や急性骨髄性白血病(AML)、若年性骨髄単球性白血病、悪性リンパ腫(NHL)、ホジキン病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)などの血液腫瘍疾患、神経芽腫や腎芽腫、肝芽腫、網膜芽腫、横紋筋肉腫、脳腫瘍などの悪性固形腫瘍、ランゲルハンス細胞組織球症や血球貪食性リンパ組織球症の組織球症、血友病や特発性血小板減少性紫斑病、遺伝性血栓症や血友病などの血液凝固異常症、再生不良性貧血や遺伝性球状赤血球症、サラセミアなどの赤血球系疾患、慢性良性好中球減少症や重症複合型免疫不全、慢性GVHDなどの白血球?免疫疾患。

2023年の入院で化学療法を行った主な新規腫瘍性疾患は、ALL5例、AML1例、NHL1例、JMML1例、LCH2例、CML1例、神経芽腫2例、腎芽腫1例、骨肉腫1例、脳腫瘍7例、胚細胞腫1例の計24例であった。

12)小児がん経験者の長期フォローアップ外来

医師:嶋田 明

診療実績:

1月 2月 3月 4月 5月 6月
14
7月 8月 9月 10月 11月 12月
11 11

年間総受診数 82人

主な対象疾患:

小児期に、白血病などの血液腫瘍性疾患、神経芽腫などの固形腫瘍に対して、化学療法や放射線療法を受けた、18歳以上の患者。

13)子ども化学療法外来

医師:

嶋田 明、熊谷 秀規、横山 孝二、川原 勇太、新島 瞳、吉成 裕紀、五味 玲(小児脳神経外科)

診療実績:

1月 2月 3月 4月 5月 6月
30 27 32 20 23 24
7月 8月 9月 10月 11月 12月
25 29 22 21 24 25

年間総受診数 299人

主な対象疾患:

ALLやLCHの維持療法、脳腫瘍などのイリノテカン/テモゾロミド療法、JIAや炎症性腸疾患などのトシリズマブやインフリキシマブ療法など。

14)アレルギー外来

医師:熊谷 秀規、渡邉 知佳、小太刀 豪、佐藤 優子

診療実績:

1月 2月 3月 4月 5月 6月
81 101 91 114 113 109
7月 8月 9月 10月 11月 12月
123 170 106 105 127 123

年間総受診数 1,363人

主な診療対象:

食物アレルギー、新生児?乳児食物蛋白誘発胃腸症、食物依存性運動誘発アナフィラキシー、花粉-食物アレルギー症候群、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、薬物アレルギーなど。

*食物アレルギー、アナフィラキシー
原因食物の特定や除去食導入を行い、栄養指導、誤食予防の指導を行っている。アナフィラキシー症例は、エピペン?(アドレナリン自己注射)を導入している。診断および耐性獲得確認のため、経口食物負荷試験を行っている。

*気管支喘息
中等症ないし重症持続型の患児が大半を占める。心疾患や神経疾患など基礎疾患をもつ児も多く、他の専門領域と連携をとって診療をしている。

*アレルギー性鼻炎
通年性アレルギー性鼻炎?季節性アレルギー性鼻炎に対し、ダニ?スギアレルゲンの舌下免疫療法を行っている。

*アトピー性皮膚炎
軽症?中等症のアトピー性皮膚炎に対して皮膚ケア指導、外用療法を実施している。コントロール不良の重症アトピー性皮膚炎に対しては生物学的製剤などの全身療法を行っている。

15)小児免疫外来

医師:川原 勇太、新島 瞳、吉成 裕紀、浅井 秀哉

診療実績:

1月 2月 3月 4月 5月 6月
99 76 121 87 80 104
7月 8月 9月 10月 11月 12月
83 94 84 81 78 87

年間総受診数 1,074人

主な診療対象:

若年性特発性関節炎(JIA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、自己炎症性疾患(AID)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)、周期性?発熱?アフタ性口内炎?咽頭炎?リンパ節炎(PFAPA)症候群、ベーチェット病など。

2023年の主な新規症例は、JIA 2例、SLE 3例、MCTD 1例、シェーグレン症候群1例、PFAPA症候群2例、ぶどう膜炎 1例であった。

16)感染症外来

医師:田村 大輔

診療実績:

1月 2月 3月 4月 5月 6月
46 31 33 32 36 38
7月 8月 9月 10月 11月 12月
45 48 32 42 48 51

年間総受診数 482人

主な診療対象:

対象疾患及び患者は、集中治療を要した難治性感染症、先天梅毒、先天性CMV感染症、EBV感染症、肺膿瘍、肺結核、結核性髄膜炎、潜在性結核、慢性骨髄炎などや、ワクチン接種スケジュールから逸脱した接種プラン相談、ワクチン接種後の副反応出現後の接種スケジュールの策定、基礎疾患による抗菌薬予防内服など。また、小児科以外の各診療科から、抗菌薬の使用?選択についてのコンサルタントを行っている。2022年9月からは、COVID-19後遺症外来、新型コロナワクチン接種による遷延する症状外来を行っている。

17)生後1か月健康診査

原則として当院産科を退院した児を対象とする。発育と発達の評価のほか新生児マススクリーニングの結果説明、便色の確認、育児相談を行っている。

1月 2月 3月 4月 5月 6月
65 57 59 54 77 47
7月 8月 9月 10月 11月 12月
52 73 52 72 63 41

年間総受診数 712人

18)夜間?休日診療

診療実績:夜間、休日に受診し、小児科医が診療した患者数

1月 2月 3月 4月 5月 6月
108 79 69 87 119 124
7月 8月 9月 10月 11月 12月
150 86 86 117 106 128

年間総受診数 1,259人

3-2.小児科入院診療

小児科は主として、2A病棟と4A病棟で診療し、重症児は、小児集中治療室(PICU)で集中治療を行っている。また、総合周産期母子医療センター(NICU、GCU)で新生児の診療を行っている。

1) 小児科の月別新入院患者数(総合周産期母子医療センターを除く)

1月 2月 3月 4月 5月 6月
101 79 89 89 94 115
7月 8月 9月 10月 11月 12月
149 103 101 136 124 125

総計年間入院患者数 1,305人

2)入院患者の疾患別内訳(人数;小児科退院患者大分類別疾病統計(ICD-10ベース)、総合周産期母子医療センターを除く)

章名称 件数 件数(%) 在院日数 在院日数(%) 平均在院日数
01.感染症及び寄生虫症 98 7.4 1395 6.7 14.2
02.新生物 135 10.2 4342 20.8 32.2
03.血液及び造血器の疾患並びに免疫機構の障害 23 1.7 228 1.1 9.9
04.内分泌、栄養及び代謝疾患 45 3.4 397 1.9 8.8
05.精神及び行動の障害 27 2.0 2118 10.1 78.4
06.神経系の疾患 107 8.1 1127 5.4 10.5
07.眼及び付属器の疾患 7 0.5 82 0.4 11.7
08.耳及び乳様突起の疾患 1 0.1 4 0.0 4.0
09.循環器系の疾患 42 3.2 683 3.3 16.3
10.呼吸器系の疾患 218 16.5 2569 12.3 11.8
11.消化器系の疾患 56 4.2 1106 5.3 19.8
12.皮膚及び皮下組織の疾患 12 0.9 246 1.2 20.5
13.筋骨格系及び結合組織の疾患 50 3.8 712 3.4 14.2
14.腎尿路生殖器系の疾患 69 5.2 1173 5.6 17.0
16.周産期に発生した病態 3 0.2 40 0.2 13.3
17.先天奇形、変形及び染色体異常 192 14.6 2178 10.4 11.3
18.症状、徴候および異常臨床所見?異常臨床所見で他に分類されないもの 93 7.1 1205 5.8 13.0
19.損傷、中毒及びその他の外因の影響 30 2.3 375 1.8 12.5
21.健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用 4 0.3 83 0.4 20.8
99.不明 107 8.1 835 4.0 7.8
総計 1319 100.0 20898 100.0 15.8

3)総合周産期母子医療センター(NICU?GCU)

詳細は別掲。

年間入院患者数は、328名(再転科?転入4名を除く)だった。内訳は、院内出生302名(初診時から産科外来43名、外来への紹介226名、母体搬送32名、飛び込み分娩1名)、院外出生26名(病院等からの搬送23名、自宅分娩1名、車中分娩2名)。詳細は、総合周産期センター新生児集中治療部に別掲の通り。

在胎週数(GA)別、出生体重(BW)別入院数および死亡数を示す。

GA(W) 入院 生存 死亡 生存率(%)
22 0 -
23 0 -
24 3 3 0 100
25 0 0 0 -
26 4 4 0 100
27 2 2 0 100
28 5 5 0 100
29 1 1 0 100
30 6 6 0 100
31 4 4 0 100
32 10 10 0 100
33 16 16 0 100
34 22 22 0 100
35 29 29 0 100
36 32 32 0 100
37以上 194 194 0 100
328 328 0 100
BW(g) 入院 生存 死亡 生存率(%)
<500 1 1 0 100
<1000 11 11 0 100
<1500 21 21 0 100
<2000 48 48 0 100
<2500 89 89 0 100
≧2500 158 158 0 100
328 328 0 100

3-3.主な検査?特殊治療

1)心臓カテーテル検査?治療

心臓カテーテル検査?治療の総数は161件(カテーテル治療84件、うち成人症例16例)であった。カテーテルアブレーション、成人症例は循環器内科と合同で検査、治療を行った。対象疾患は、心室中隔欠損32件、心房中隔欠損25件、ファロー四徴症7件、両大血管右室起始症12件、大動脈縮窄症3件、大動脈離断症1件、房室中隔欠損症2件、左心低形成症候群(亜型含む)4件、純型肺動脈閉鎖2件、肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損症8件、単心室8件、三尖弁閉鎖症5件、フォンタン手術後13例、完全大血管転位症8件、修正大血管転位症1件、大動脈肺動脈中隔欠損症1件、動脈管開存症9件、総肺静脈還流異常症1件、部分肺静脈還流異常症2件、孤立性肺動脈欠損症1件、大動脈弁狭窄症4件、冠状動脈瘻2件、心筋症1件、原発性肺高血圧症4件、不整脈5件であった。

カテーテル治療84件の内訳は、バルーン血管形成術24件、血管塞栓術(コイル塞栓など)16件、心房中隔欠損閉鎖術24件、動脈管閉鎖術8件、バルーン弁形成術4件、ステント留置術1件、心房中隔裂開術2件、カテーテルアブレーション5件であった。

2)心臓超音波検査

心臓専門外来、病棟患者、スクリーニング検査を含め、3,529件施行した(NICUでの施行分は含まない)。

3)腎生検、急性血液浄化、血漿交換

腎生検を20件施行した(内訳;エコー下11件、開放7件、後腹膜鏡下2件)
急性血液浄化を 12例に行った(血漿交換4例、持続的血液濾過透析8例)。

4)造血細胞移植

2009年以降に当科で造血細胞移植を受けた患者の初回移植後3年の生存率(2020/12/31時点)

同種移植(腫瘍性疾患)(N=30)78.7%(95%CI, 63.5-93.8)

同種移植(非腫瘍性疾患)(N=8)87.5%(95%CI, 64.6-100)

自家移植(腫瘍性疾患)(N=16)93.8%(95%CI, 81.9-100)

造血細胞移植

5)消化器?肝臓系検査

検査実績:

件数
A)消化管系(治療を含む) 110件
 上部消化管内視鏡検査 32
 大腸内視鏡検査 44
 小腸内視鏡検査 34
  ダブルバルーン法(経口)
  ダブルバルーン法(経肛門) 10
  カプセル内視鏡 15
B)肝?胆?膵系
肝生検 1

6)生体腎移植

2023年は適応患者がおらず、施行なし。

7)アレルギー系検査?治療

  • 皮膚テスト
    外来と入院とを合わせて18件実施した。
  • β刺激薬持続吸入療法
    気管支喘息の急性増悪に対し、挿管?人工呼吸器管理または高流量鼻カヌラ療法と併用して4例に実施した。
  • 経口食物負荷試験
    2023年5月から入院?外来の食物負荷試験を積極的に実施した。
1月 2月 3月 4月 5月 6月
7月 8月 9月 10月 11月 12月
14 11 16 11

計81件

8)遺伝子治療

AADC欠損症患者に対する遺伝子治療として2型アデノ随伴ウイルスベクターにAADC遺伝子を組み込んだベクターを定位脳手術により両側被殻に注入した結果、運動機能が改善した。これまで計8名に臨床試験で治療を実施し、全例運動機能が改善した。その後に治験として2名に実施し、長期経過観察中である。

脊髄性筋萎縮症に対してはこれまでに3名の患者にオナセムノゲンアベパルボベクを投与した。うち、1例は新生児スクリーニングにより診断した発症前患者であったが、良好な運動発達を獲得している。

3-4.小児科カンファレンス

毎週火曜日、水曜日、金曜日の朝に新入院患者の紹介と討議、水曜午後の総回診で入院患者の病状報告と討議を行った。

小児科における症例検討会(CC)は毎週水曜日16時から子ども医療センター2階カンファレンスルームで、入院例を中心に検討した。以下症例検討会のテーマと担当を示す。

日時 演題 担当
1月18日 遺伝性間質性肺疾患と考え治療した新生児呼吸障害の一例 相樂
1月25日 先天性中枢性低換気症候群疑い症例に対する気管切開術の検討 永井、松本(諒)、箕浦、若江、甲州、山岸
2月8日 うっ血性心不全を合併した横静脈洞硬膜動静脈瘻に対し経動脈的塞栓術を行った低出生体重児例 下澤、五味
2月15日 TMA(血栓性微小血管症)に出会ったら~補体介在性TMAという新たな概念~ 腎臓班
2月22日 修正大血管転位症に対するRastelli手術後に、Abiotrophiadefectivaによる感染性心内膜炎を発症した8歳男児例 岡、藤原、朝日、森田、鈴木(峻)、古井、松原、関
3月1日 貧血~実証例から鑑別を考える~ 血液班
3月15日 小児の機能性消化管疾患;その児、ホントに過敏性腸症候群? 岡田、熊谷、横山、橋本
3月22日 次世代シーケンスが診断契機となった小児死亡例 井上、福田、小野、浅井(眞)、高梨、箕浦、檜波田、君島、嶋田
4月19日 後部尿道弁~閉塞解除後の長期観察の必要性~ 若林
4月26日 MOG抗体陽性視神経炎に対する免疫抑制療法 朝倉、横関、永井、吉野、小島
5月17日 必携!WISC-Ⅴ 大森、星子(公認心理師)
5月24日 多剤併用免疫療法が有効だった急性腎障害合併の巣状分節性糸球体硬化症によるネフローゼ症候群の1例 小太刀、別井、福田、堀越、峯村、檜波田、霜田、栗原(良)
6月7日 周術期に脳梗塞を発症した重症複雑心疾患の2症例 田沼、上山、山下、宮﨑、森田、鈴木、岡
6月21日 ビタジェクト注によりアナフィラキシーショックを発症したALLの12歳女児 吉成、中島、神田、古屋、浅井(秀)、新島
6月28日 スギ花粉によるアナフィラキシー疑いの14歳女子 小太刀、福田、渡邉、熊谷
7月5日 気管?気管軟骨化症に対する外科的アプローチ~当院2症例を通して~ 田中(裕)、阿久津、谷本、清野、岩崎、奥村、月田、三谷
9月20日 筋線維腫による肝外門脈閉塞、遷延性下痢をきたした男児例 浅井(秀)、栗原、山下、新島
9月27日 セレン欠乏がTREC低値に関与していると考えられる超低出生体重児 下澤、阿久津、相樂
10月4日 総肺静脈還流異常症術後に発症した乳び胸に対してリンパ管造影を行った1例 森田、檜波田、五味、古井、岡
10月18日 気管挿管を要した気管支喘息例 横関、上山、深谷、奥村、岩崎、黒川、月田、小太刀、三谷
10月25日 骨系統疾患を学ぶ~くる病と軟骨無形成症~ 中村、浅井(眞)、田島
11月1日 「SARS-CoV-2」と「COVID-19」わかっていること! わからないこと! 田村
11月15日 遷延する高CK血症がみられたCOVID-19 横関、月田、永井、堀口、若江、岩崎、浅倉、奥村、黒川、三谷、小島
11月22日 妊娠中期から抗甲状腺薬により甲状腺機能低下を来していたBasedow病母体から出生した一過性甲状腺機能低下の新生児例 宮﨑
11月29日 「頭のかたち」に関する講演会 五味玲、小熊(小児脳神経外科)
12月6日 原因不明の腸管拡張?下痢に伴う循環血液量減少性ショックを繰り返す、20番染色体長腕部分欠失を基礎疾患に持つ3歳女児の1例 谷本、小太刀、別井、黒崎、丸、岩崎、山下、阿久津、瀬戸、大朏、相馬
12月20日 後半まとめの会

3-5.キャンサーボード

1)小児緩和ケアカンファランス

患者さんとその家族のQOL向上を目指し、小児科医、小児脳神経外科医、緩和ケア医、看護師、心理士、理学療法士、養護教諭、地域医療連携部などの多種職による「小児緩和ケアチーム」のカンファランスを開催した。

1月 2月 3月 4月 5月 6月
7月 8月 9月 10月 11月 12月

年間総開催数 24回

2)小児腫瘍カンファランス

腫瘍性疾患の集学的治療のため、小児血液腫瘍チーム、小児放射線診断部、外科系各科(小児外科、小児脳外科、小児泌尿器科、移植外科、歯科口腔外科、形成外科など)、放射線治療部と腫瘍カンファランスを開催した。

1月 2月 3月 4月 5月 6月
7月 8月 9月 10月 11月 12月

年間総開催数 14回

3)栃木がんセンターとの肉腫などのカンファレンス

2021年10月より栃木県立がんセンターと肉腫患者に関するカンファレンスを月1回第3月曜日に行っている。

4.2024年の目標?事業計画等

2024年の当科の目標として、医師の働き方改革の実行とともに、①小児科各専門診療部門における小児高度医療のさらなる推進、②急性?慢性疾患児に対する地域医療機関とのシームレスな連携の強化、③医育機関としての小児科専門医育成の推進、④オピニオンリーダーとしての臨床研究の推進、を掲げる。

5.過去実績