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薬剤部【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2024年4月1日現在)

薬剤部長 今井  靖(薬理学講座 臨床薬理学部門?教授、副病院長)
副薬剤部長 中澤 寛仁
釜井 聡子(感染制御部兼務)
吉岡 崇幸
片野 昌宏(医療の質向上?安全推進センター兼務)
主任薬剤師 小倉 明子
大塚由紀子
荒川 祐輔
若林 宏海
稲見  薫(緩和ケア部兼務)
奥田 泰考
小林  亮
薬剤師 90名(臨床研究?治験推進部11名および臨床薬理学教室1名、分子病態治療研究センター1名含む)
事務 1名
関係部署 北畠 智富(医療の質向上?安全推進センター専従)
大友 慎也(感染制御部専従)

2.薬剤部の特徴

 薬剤部では、医薬品の調剤、製剤、供給管理、情報提供、TDM(薬物血中濃度モニタリング)、病棟薬剤業務および服薬指導等を通じ、医薬品の安定供給と適正使用に貢献している。さらに、これらの業務を相互に連携させることにより、医薬品に係わるリスクの防止に努めている。

?施設認定

  • 日本臨床薬理学会認定薬剤師制度研修施設
  • 日本医療薬学会医療薬学専門薬剤師制度研修施設
  • 日本医療薬学会がん専門薬剤師研修施設
  • 日本医療薬学会薬物療法専門薬剤師研修施設
  • 日本薬剤師研修センター実務研修生受入施設
  • 日本薬剤師研修センター小児薬物療法認定薬剤師制度受入施設
  • 日本緩和医療薬学会緩和医療専門薬剤師研修施設

認定?専門薬剤師

日本臨床薬理学会指導薬剤師 1名
日本臨床薬理学会認定薬剤師 1名
日本臨床薬理学会認定CRC 8名
日本医療薬学会医療薬学指導薬剤師 2名
日本医療薬学会医療薬学専門薬剤師 3名
日本医療薬学会がん指導薬剤師 1名
日本医療薬学会がん専門薬剤師 3名
日本医療薬学会薬物療法専門薬剤師 1名
日本栄養治療学会栄養サポートチーム専門療法士 3名
日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師 3名
日本緩和医療薬学会緩和医療暫定指導薬剤師 1名
日本緩和医療薬学会緩和薬物療法認定薬剤師 2名
日本医療情報学会医療情報技師 1名
日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師 13名
日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師 2名
日本病院薬剤師会認定指導薬剤師 1名
日本薬剤師研修センター認定実務実習指導薬剤師 8名
日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師 8名
日本薬剤師研修センター小児薬物療法認定薬剤師 2名
日本リウマチ財団登録薬剤師 1名
日本災害派遣医療チーム(DMAT)登録隊員 2名
日本アンチドーピング機構(JADA)スポーツファーマシスト 3名
日本臨床試験学会GCPエキスパート 1名
日本臨床試験学会GCPパスポート 1名
日本臨床試験学会がん臨床研究専門職 1名
日本循環器学会心不全療養指導士 2名
日本麻酔科学会周術期管理チーム薬剤師 2名
栃木県肝疾患コーディネーター 2名

3.実績?クリニカルインディケーター

1)業務内容

①外来?入院調剤業務

調剤部門では、入院患者および外来患者の処方?注射調剤を行っている。処方の外来調剤においては、院外処方箋発行率増加を強化し、2023年度は平均90.4%と増加して、院内処方箋枚数は2022年度1日平均130枚であったが、100枚程度に減少した。また、院外処方箋に対する疑義照会への対応においては、2021年より開始した当院と近隣/近県の保険調剤薬局間での?院外処方せんにおける問い合わせ等の簡素化プロトコル?の締結店舗数が980店舗に達した。保険薬局からの報告書については、順次カルテに取り込みを行い、医師へ情報提供を行っている。処方調剤業務の合理化により、病棟業務に関わる人員の保持ができた。

注射薬の調剤においては、入院患者に対する予定オーダーは全て調剤を行い、一部の病棟の臨時オーダーの調剤について24時間体制で継続している。外来患者の注射オーダーについては、抗がん薬に関しては全て調剤を行っているが、一般薬については一部の予定オーダーのみの調剤となっている。順次、薬剤師による処方監査体制の強化を行っている。

②製剤?医薬品調製業務

製剤?注射調製部門では予め使用頻度の高い薬剤の混合調製(一般製剤?無菌製剤)、医師からの依頼による特定の患者を対象とした市販されていない剤形や規格の薬剤調製(院内特殊製剤)、リスクの高い注射薬である抗がん薬やTPN(中心静脈栄養)の混合調製を行っており、現在は休日を含め院内で使用する抗がん薬の全ておよび予定オーダーのTPN調製は薬剤部で実施している。

2011年、日本核医学会ほか3団体の共同作業により「放射性医薬品取り扱いガイドライン」が作成された。薬剤部では、2012年6月から薬剤師による放射性医薬品の院内調製(99Mo/99mTcジェネレーターからの99mTcの抽出、テクネMAAキットおよびテクネフチン酸キットにおける99mTcの標識など)と管理を開始し、2019年には骨転移疼痛緩和剤メタストロン注も含めた放射性医薬品の管理と調製を実施している。

過去5年間における注射薬混合調製数
2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
TPN(病棟/在宅) 2,802 1,859 2,533 2,898 2,793
抗がん剤(病棟) 9,703 11,136 11,171 10,518 10,937
抗がん剤(外来) 20,891 20,972 23,039 24,304 25,322
一般薬 (病棟/外来) 14,368 10,837 9,359 9,741 10,036
放射性医薬品 529 531 436 714 719

③医薬品情報業務

医薬品情報部門では院内の医師や他の医療スタッフからの医薬品に関する問い合わせに対応するとともに、医薬品の採用情報?安全性情報等医薬品の適正使用に必要な情報の医療従事者への提供、院内副作用報告の収集?管理等を行っている。また、医療情報システムにおける採用医薬品のマスタ管理、オンライン医薬品情報システムのメンテナンス等を行っている。さらに、薬事委員会の庶務を担当し委員会の適切な運営等に当たるとともに、2019年4月からは医薬品の適応外使用審査事務局も併設した。2022年4月より医薬品の適応外使用審査事務局は、医療の質向上?安全推進センターに移行したが、移行後も事務局と連携をとり申請案件の事前評価を行っている。なお、薬事委員会では厚生労働省の後発医薬品使用促進政策に基づき、2007年より後発医薬品の導入を開始し、継続して後発医薬品へ切り替えを行っており、後発医薬品数量シェア(置換え率)は、2021年度以降90%超を常に維持されている。また、2021年より院内における標準的薬物療法実践のためのフォーミュラリー作成を開始し、10薬効群についてのフォーミュラリー作成を実施?院内に公開しているが、2023年は、新小山市民病院との合同フォーミュラリーの作成を行った。

④診療支援およびTDM(薬物血中濃度モニタリング)業務

診療支援部門では入院患者に対し、入院時の持参薬確認や処方された薬の効能?効果や副作用、使用上の注意等を説明するとともに、副作用等の発現状況の確認や医薬品を使用する上での相談に乗る等の業務(薬剤管理指導業務)を行っている。2017年以降、病棟薬剤業務の実施に伴い、薬剤管理指導業務に係る件数が著減したが、2020年から薬剤管理指導に注力し、件数は大幅に増加した。また、ICU、CCU、PICU、ERなどの重症部門における医薬品の管理(調剤、処方監査?提案など)を行い診療に貢献している。病棟薬剤業務については2021年11月より再開した病棟薬剤業務実施加算I, IIの算定を維持?継続しつつ、2022年6月からは1病棟につき1名の担当薬剤師を配置し、病棟診療支援業務のさらなる充実を図っている。外来患者については薬剤師腫瘍外来を外来治療センター内に設置し、がん化学療法および緩和ケアを受ける患者への服薬指導等を継続している。また国立成育医療センターと連携し妊娠と薬外来を薬剤部?臨床薬理学部門の連携で2020年4月から運用?継続している。さらにTDM業務においては抗菌薬や移植患者に対する免疫抑制薬の個別投与設計支援を中心にテーラーメイド医療に貢献している。

過去5年間における薬剤管理指導業務量およびTDM実施数
2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
病棟服薬指導患者数(人) 656 2,036 11,495 14,423 14,109
病棟服薬指導件数(件) 812 3,088 13,825 16,119 15,506
持参薬確認件数(件) 14,383 14,304 14,211 14,895 14,816
薬剤師腫瘍外来(件) 4,538 4,235 4,260 2,629 2,259
TDM実施件数(件) 1,765 1,156 1,998 2,245 2,427

⑤薬品管理業務

医薬品管理部門では院内で使用する医薬品の安定供給および病棟に在庫する医薬品の管理を行っている。2023年も出荷調整の薬剤が多種に渡ったが、医薬品情報部門と医薬品管理部門が協力し、医薬品の安定供給に寄与した。特に抗菌薬に関しては、抗菌薬適正使用支援チームとの連携により、院内の使用薬剤の調整が可能となった。期限切迫医薬品や不動医薬品については、継続して自治医科大学附属さいたま医療センターとの連携を行っており、廃棄する医薬品の減少につながっている。また、RFIDを利用した医薬品専用保冷庫の継続使用により、一部の高額冷所医薬品などの在庫管理の適正化が図れることで、病院経営にも貢献した。

⑥子ども医療センター薬剤部

子ども医療センター内に薬剤室を設置し、外来患者からのお薬相談、入院患者に対する服薬指導や医薬品管理等、医療スタッフへの医薬品情報提供も行い、小児領域での薬物治療に貢献した。

2)業務実績(2023年1月~12月)

①外来調剤に関すること

外来処方せん枚数(院内調剤)(枚) 29,441
注射処方せん枚数(枚) 28,880
在宅療養用器材等交付件数(件) 21,950
院外処方せん枚数(枚) 277,026
保険薬局からの報告書等受付件数(件) 22,275

②入院処方箋に関すること

入院処方せん枚数(件) 316,490
注射処方せん枚数(枚) 212,525

③製剤に関すること

製剤総件数(件) 4,289
一般試験および水質検査件数(件) 240

④医薬品管理?医薬品情報に関すること

医薬品情報室への問い合わせ件数(件) 853
医療スタッフ等への情報提供件数(件) 206

⑤治験に関すること

治験薬受け入れ件数(新規)(件) 19

3)その他

①医薬品の安全管理体制整備

近年医療事故が多数報告され、残念ながらその多くが医薬品に関連したものとなっている。薬剤部では2011年から病棟担当薬剤師が病棟スタッフを対象に危険薬(ハイリスク薬)の取扱いについての教育?指導を実施してきた。2016年4月から副薬剤部長1名が医療安全対策部を兼務、2020年からは部長が医薬品安全管理責任者、副部長が同副責任者となり医薬品にかかる安全?安心の医療実現のための管理?啓発活動を進めている。加えて、医療事故防止の徹底を図るため2017年4月からは薬剤師1名が医療の質向上?安全推進センター専従となり、院内における医療安全推進?医療の質の維持/向上に貢献している。なお、2023年は、全職員対象に医薬品の安全?適正使用及び適正管理のためのweb講習会を行った。

②チーム医療への参画

肝移植チーム、臨床腫瘍センター、ICT?AST、緩和ケア、NST、褥瘡対策、周術期管理(術前/術後)等への支援あるいはそのチームの一員として加わる形で積極的に参画し、適正な薬物治療の実践に貢献している。また他部門との連携として医療の質向上?安全推進センターや感染制御部に専従薬剤師を配置している。

③治験薬の管理

これまでの臨床試験センターが2013年4月からは"とちぎ臨床試験推進部"と組織改変され、2018年には臨床研究センターの一部門となった。さらに2022年4月から臨床研究部と治験推進部は1つの部門として統合され臨床研究?治験推進部となった。薬剤部では引き続き治験薬の保管や調剤等を通じて適正な臨床試験(治験)の運営に協力した。

④薬学実務実習生および研修生の受け入れ

2020年以降、COVID-19感染拡大?蔓延のため実習の受け入れの一時停止あるいは、対面実習とwebを用いたハイブリッド実習にするなどの工夫の上で実施していたが、2023年は、従来通りの対面実習を行った。

2023年については、国際医療福祉大学薬学部学生 合計16名(第Ⅱ期 6名、第Ⅲ期 4名、第Ⅳ期 6名)の病院実務実習を行った。

⑤地域?僻地医療に対する貢献

公衆衛生の向上に寄与する目的から薬剤部への見学者の積極的な受け入れを行った。また、地域の薬剤師会や近隣の保険薬局と連携し、がん薬物療法、トレーシングレポートの活用等に関する研修会(Web)を実施した。さらに、地域(栃木県営大規模接種会場及び下野市接種会場)でのCOVID-19ワクチン接種支援派遣を行い、地域におけるCOVID-19感染対策に大きく寄与した。

4.研究業績

【学術論文?投稿?書籍?ウェブ教材】

  1. 奥田泰考:がん化学療法レジメン管理マニュアル第4版:医学書院:2023年1月
  2. 奥田泰考:YORi-SOU がんナーシング2023年1号:メディカ出版:2023年1月
  3. 奥田泰考:月刊薬事 支持療法の最前線:じほう:2023年5月
  4. 奥田泰考:月刊薬事増刊号『いまさら聞けない?いますぐ知りたい「疑問」に答える 抗がん薬の支持療法』:じほう:2023年7月
  5. 大友慎也:貼れる!配れる!ダウンロードできる 場所ごとだから使いやすい!清掃方法のイラストブック 調製台回り(解説):INFECTION CONTROL32巻8号 Page782-785(2023.8)
  6. 大友慎也:特集 処方の「なぜ?」がわかる 臨床現場の薬理学 免疫抑制薬 臓器移植患者を診察するとき:レジデントノート増刊25(14): 2667-2676,2023
  7. 中澤寛仁:がん患者の退院後における地域医療連携~薬局における地域に対する管理栄養士との連携~:日本栄養士会?日本病態栄養学会認定 がん病態栄養専門管理栄養士認定制度2023年度がん栄養療法実践セミナー 講義(e-ラーニング):2023年10月
  8. 山田 凜:処方の「なぜ?」がわかる 臨床現場の薬理学 第1章8.薬物相互作用:レジデントノート増刊 Vol.25 No.14:2023年11月
  9. 今井 靖 総編集 処方の「なぜ?」がわかる 臨床現場の薬理学 レジデントノート増刊 vol.25No.14 2023年11月
  10. 川合眞一、伊豆津宏二、今井 靖、桑名正隆、北村正樹、寺田智祐 編集 今日の治療薬 2023年 南江堂
  11. 保科克行、今井 靖 編集 循環器診療コンプリートシリーズ 血管疾患  2023 学研メディカル

【学会発表】

  1. 奥田泰考:明日から提案できる支持療法- CINVとCIPN -:日本臨床腫瘍薬学会学術大会2023 教育講演:2023年3月(名古屋)
  2. 中澤寛仁:日本臨床腫瘍薬学会学術大会2023 Basicセミナー座長:2023年3月(名古屋)
  3. 藤村昭太荒川昌史稲見 薫今井 靖:医療用麻薬の自己管理の状況と課題点:第16回日本緩和医療薬学会年会:2023年5月(神戸)
  4. 奥田泰考:第16回日本緩和医療薬学会年会 優秀演題座長:2023年5月(神戸)
  5. 奥田泰考:外来がん薬物療法におけるタスクシフト~専門性をより活かすために~:日本病院薬剤師会関東ブロック第53回学術大会 シンポジウム:2023年8月(新潟)
  6. 高倉祐希大野 翼山田 凜近藤千尋吉田紀樹今関 稔今井 靖:自治医科大学附属病院における若手教育の取り組み~若手?新人向け臨床教育セミナー(SODセミナー)~:日本病院薬剤師会関東ブロック第53回学術大会:2023年8月(新潟)
  7. 野田達也荒川昌史、五十嵐丈之、宮澤智子、大山拓也、米田正明、西野貴仁金田 楓藤村昭太、伊藤真人、今井 靖:Mohsペーストを在宅で使えますか?:日本病院薬剤師会関東ブロック第53回学術大会:2023年8月(新潟)
  8. 中澤寛仁:乳がんに関する基本知識 安心?安全な乳がん薬物療法を目指して!!~がんの予防、検診、治療、そして連携...~:第9回那須栄養リハビリ研究会 モーニングセミナー:2023年9月(栃木)
  9. 釜井聡子、坂本博次、宮沢玲子、渡辺春菜、遠藤径世、古内三基子、中村 潤、茂木さつき、倉科憲太郎:短腸症候群の銅欠乏症改善は難しい!:第9回那須栄養リハビリ研究会:2023年9月(栃木)
  10. 藤村昭太:緩和ケアにおける神経障害性疼痛に対する薬物療法:第7回栃木緩和支持療法研究会:2023年10月(栃木)
  11. 大友慎也大柿景子、笹原鉄平、佐久間康成、大西康晴、眞田幸弘、脇屋太一、平田雄大、大豆生田尚彦、高寺樹一朗、今井 靖:原因不明の一過性菌血症を繰り返す肝移植後の一例:第70回日本化学療法学会東日本支部総会?第72回日本感染症学会東日本地方会学術集会合同学会:2023年10月(東京)
  12. 奥田泰考齋藤賢宏三瓶祐貴品田 誠藤村昭太菅 留理小林直人中田雅人荒井大地中澤寛仁、山口博紀、今井 靖:がん悪液質に対するアナモレリンと体重増加関連因子の検討:第33回日本医療薬学会年会:2023年11月(仙台)
  13. 小林美奈子、渡邊裕之、柴田直樹、富士芳美、前田剛司、橋詰淳哉、亀位耕平、岡田浩司、妹尾啓司、三好孝法、平野公美、政 賢悟、奥田泰考、宮崎実千芸、吉田幹宣、城口将太、藤田行代志、齋藤達也、山室路子、天間雅美:Calvert式によるカルボプラチン投与量算出時に用いる腎機能推算値と毒性に関するレトロスペクティブ研究:第33回日本医療薬学会年会:2023年11月(仙台)
  14. 西野貴仁荒川昌史大平実佳西島秀和小林亮藤村昭太片野昌宏今井 靖:医薬品使用に及ぼすフォーミュラリー導入の影響 -睡眠薬の場合-:第33回日本医療薬学会年会:2023年11月(仙台)
  15. 大平実佳荒川昌史、須田史郎、西野貴仁、新保昌久、片野昌宏村林美優大野 翼金田 颯金井栄里香田村依珠美今井 靖:睡眠薬の適正使用推進に向けた取り組み-「睡眠薬使用の見直し依頼」を院内通知した影響-:第33回日本医療薬学会年会:2023年11月(仙台)
  16. 奥田泰考:治療強度を担保した術後補助療法を提供する薬剤師外来の関わり:第33回日本医療薬学会年会 シンポジウム:2023年11月(仙台)
  17. 大柿景子今井 靖大友慎也荒川昌史大塚由紀子稲見 薫中澤寛仁釜井聡子片野昌宏吉岡崇幸:薬物相互作用の有害性と有益性 肝移植後タクロリムスを投与している2症例の対比:第97回日本薬理学会年会/第44回日本臨床薬理学会学術総会 セッション ベッドサイドの臨床薬理学:2023年12月(神戸)
  18. 人見泰弘、今井 靖、桑原政成、牧元久樹、興梠貴英、相澤健一、大場祐輔、甲谷友幸、苅尾七臣、的場哲哉、藤田英雄、永井良三:慢性冠動脈疾患患者におけるポリファーマシーの実態と心血管イベントの関連 第97回日本薬理学会年会/第44回日本臨床薬理学会学術総会 一般演題:2023年12月(神戸)
  19. 今井 靖:肥大型心筋症への薬物治療 β遮断薬からミオシン阻害薬まで 第97回日本薬理学会年会/第44回日本臨床薬理学会学術総会 シンポジウム:2023年12月(神戸)
  20. 今井 靖(主催者)日本医療薬学会公開シンポジウム 2023年11月(下野)

5.2024年の目標?事業計画等

  1. 診療支援業務とセントラル部門の両立?充実
  2. 若手指導?教育体制の強化(将来を担う人材の育成)
  3. 病院経営および医療安全への貢献
  4. 病院機能評価指摘事項解決に向けた取り組み
  5. 薬薬?多職種連携を含めた地域?社会への貢献
  6. 専門職としての継続的な技術?学識の向上

6.目標の達成?実現に向けて取り組んだ概要と成果について

〇業務の運営方法の改善、安全で適正な調剤業務等の実施、患者?家族の満足度の向上等(2023年度の薬剤部のテーマは、「患者に質の高い有効で安全な医療を提供する」としており、目標の柱として「医療安全への取り組み強化」を掲げた。)

①医療安全への取り組み強化

  • 確認時の指さし呼称の徹底
  • 注射薬一施用調剤割合の増加
  • 診療支援室担当者による処方鑑査の拡充
  • 持参薬確認業務の拡大(緊急入院、休日入院患者への対応)
  • 薬剤管理指導件数の増加
  • 院内における筋弛緩薬管理体制の強化、統一化
  • 院内副作用報告件数の増加
  • プレアボイド報告件数の増加
  • 病院の財源確保による薬剤業務の機械化、IT化の早期達成と医療DXへの備え
  • 病院として医薬品を安全に使用できるようにするための他職種への教育

②病棟薬剤業務?外来薬剤業務に係る人員の増加及びセントラル部門の効率化?充実化

  • 病棟業務の質の向上{治療への参画、医薬品使用状況の把握(副作用、適応外、禁忌、未承認薬など)の継続}
  • 院外処方箋発行率増加に向けた病院、診療科への継続的な働きかけ(職員の院外処方箋発行の働きかけ)
  • 注射薬一施用調剤割合の増加による薬品請求、定数配置薬の減少(供給業務の減少)
  • 周術期薬剤管理業務への取り組み(特に術前、手術室から病棟への連続性の確保)
  • 診療支援室担当者による処方鑑査の拡大による処方調剤業務の効率化
  • 特定の職員しかできない業務をなくすための体制構築
  • 欠員(6名)の補充
  • 調剤補助員の増加と非薬剤師による調剤補助業務の拡大(の検討)と構築

③JUMP3へのシステム更新に向けた薬剤部関連システムの構築

  • 医療安全に関係するシステムのカスタマイズ
  • 持参薬鑑別システム、薬剤管理指導システムの導入
  • 院内処方箋へのアレルギー情報、検査値等の表示(薬歴、注意事項など)
  • 処方、注射の調剤前に処方鑑査をしたことが情報共有できるシステムの導入

④教育体制の強化

  • 新人研修プログラムを使用した教育およびタイムリーな評価、フィードバック
  • 薬剤部スタッフの基本的な業務能力の評価(調剤、調製、薬剤管理指導など)
  • 医療安全を意識した取り組みに対する評価
  • 薬学生、医学生、看護学生などの指導および他施設(病院、保険薬局など)からの薬剤師研修などの教育機関としての取り組み
  • 研修の充実(学会活動、認定専門資格取得など)
  • 事例検討、観察研究など部局内研鑽、研究活動の活性化と対外的な学術活動の強化
  • 各職種において総合的技術、知識の維持、向上と専門領域の陶冶
  • 薬を専門とする医療人としての責任感、矜持

⑤時間外労働時間(超過勤務時間)の上限規制の遵守

  • 時間外労働時間:年間合計360時間以内(月30時間以内を目指す)
    (月45時間を超えることができるのは年6回まで)

⑥病院経営への貢献

  • 病棟薬剤業務実施加算取得の維持と病棟業務に関わる診療報酬の取得
  • 術後疼痛管理加算取得の維持
  • 採用医薬品数約2,000品目および後発医薬品シェア率90%以上の維持
  • 医薬品在庫管理の適正化
  • 期限切迫医薬品/不動医薬品(廃棄する医薬品)をなくす取り組み
    (さいたま医療センターとの医薬品譲受体制の継続)
  • 病院経営に対する意識向上

⑦保険薬局との連携体制強化及び地域への貢献

  • 足彩胜负彩ワクチン接種支援
  • 保険薬局からの報告書(トレーシングレポートなど)への対応体制強化
  • 病院間フォーミュラリーの策定
  • 敷地内薬局開設に向けた体制の構築および保険薬局からの研修受け入れ
  • 地域薬剤師会との連携強化(研修会、打ち合わせなど)

7.これからの課題について

?薬剤部の目標の大きな柱として「医療安全への取り組み強化」を掲げているが、病棟を含む院内における薬剤師業務の質の向上、病棟薬剤業務実施加算取得の維持、薬剤管理指導件数の増加等院内の医薬品の安全使用に関わる業務に薬剤師が取り組むためには、これまでの対物業務を維持した上で、少なくとも1病棟あたり薬剤師1名を割り当て、その病棟の業務に十分な時間を充てられる人員の確保が必要である。さらには、国の方針でもある働き方改革による業務の効率化?勤務時間の短縮、産休?育児休暇の取得奨励等もあり、現状の人員で薬剤師に求められている業務量?質に対応するのは厳しい状況である。加えて病院内において医師からのタスクシフトを部分的に薬剤師が担うことが今後の医療全体の動向であり、それを見据えた体制作りが今後の課題となる。職員全体が精神的?物理的に余裕を持って仕事のできる環境を整え、薬剤部内?外とのコミュニケーションも含め、薬剤師がその職能を発揮し、さらに活躍できる環境を確保、それを将来にわたって続続?維持したいと考えている。

8.過去実績