鏡視下手術部【アニュアルレポート】
1.スタッフ(2024年4月1日現在)
部長 | (教授) | 細谷 好則 |
---|---|---|
医員 | (教授) | 佐久間康成 |
(准教授) | 竹井 裕二 |
2.鏡視下手術部の特徴
鏡視下手術部は2007年10月診療科横断的な組織として中央部門に設立され、鏡視下手術のトレーニングとマネージメントを行っている。当院の鏡視下手術施行診療科は16診療科、年間施行件数は経時的に増加している。

2012年からは腹腔鏡下前立腺摘出術に、手術支援ロボット加算が他の鏡視下手術に先がけて保険収載された。当院でも2014年9月より臨床導入し2016年は安定的に臨床実施している。2012年から手術支援ロボット導入WGを組織、2013年11月より手術支援ロボット運営部会において、臨床導入までのトレーニングプログラムを作成?運用した。2016年は婦人科がda Vinciによる子宮切除の臨床試験を開始し、順調に経過し保険診療となった。2016年には腎部分切除(保険収載)を開始し、2018年からは膀胱全摘も追加された。2018年からロボット支援下の胃切除、2019年から直腸癌手術、2022年より肺癌が開始され、2024年より食道癌が開始する予定である。
2020年8月より、臨床ではdaVinci Siを2台体制とした。2023年よりdaVinci Xiの2台体制となり、ロボット支援手術件数は増加してきている。

3.業績?クリニカルインディケーター
① JMU鏡視下手術シミュレーション(da Vinciシミュレーション)の開催
鏡視下手術技術の向上、新規手術導入への準備等を目的として、本学実験医学センター医療技術トレーニング部門と共同で、ブタを用いた鏡視下手術トレーニング(JMU鏡視下手術シミュレーションと命名)を、2008年2月から約2か月に1回の割合で開催してきた。2020年より、da Vinciの実機トレーニングは手術室でのドライラボで定期的に行うこととなった。
② 中央手術部鏡視下手術機器整備
鏡視下手術部運営会議を年2回開催し、鏡視下手術機器の運用?更新の統合?均一化を推進している。2010年4月に手術室録画システム(JMFS)を導入し、すべての内視鏡手術を同形式で録画、保存し、各科のカンファレンス室でストリーミング閲覧できるシステムを確立した。また、2010年10月から手術室鏡視下手術機器を最新式のハイビジョン対応リース機器に統一し、鏡視下手術機器の均霑化、手術室業務の軽減を実現し、2016年にシステム更新した。
鏡視下手術件数の増加に伴い、JMFSによる録画件数、ダウンロード件数は増加している。鏡視下手術の平均診療報酬は増加傾向である。3Dカメラ、気管支鏡の丁寧な取り扱いを周知することで、修理発生状況および金額の改善を目指している。
2020年は2015年からのVPPの更新を行った。各種機器の見直しがなされ、より快適な鏡視下手術運営が期待される。2018年からのVPPの更新は機器の更新の影響で2024年予定となる。

4.2024年の目標?事業計画等
①JMU鏡視下手術シミュレーションの開催
2024年にはda Vinciシミュレーションと、手術支援ロボットを用いたドライ?トレーニングを定期的に実施する予定である。
②中央手術部鏡視下手術機器整備
2018年からの新棟南の手術室拡張に伴い鏡視下専門手術室、ロボット手術室、3D内視鏡増設、新規4Kモニターを設置した。機器整備と安全運営に務める。
2024年はVPPの更新予定である。
③鏡視下技術修練システムの整備
本学における鏡視下手術技術の向上、鏡視下手術技術基準の作成を目的に、技術修練システムの整備を計画している。鏡視下技術修練を、本学メディカルシミュレーションセンターと共同で推進する。手術支援ロボット使用については、倫理面も考慮したトレーニングガイドライン、実施ガイドラインを適時維持する。診療科での鏡視下トレーニングはそれぞれの診療科で行う予定。
④手術支援ロボットの実施
手術支援ロボット運営部会では、保険診療、先進医療、臨床試験をベースとして実施するためのガイドラインを作成し、保険診療の拡充?実施を目指す。
⑤リスク管理
QSセンター主導で鏡視下手術を行う外科医、心臓血管外科医、麻酔科医、看護師、ME技師、輸血部スタッフで年1回をめどに、鏡視下手術を含めた手術の予期せぬ大量出血時の対応訓練を行う。いままで消化器外科で実施した。2024年は泌尿器科で行う予定。